六話
「遂に魔王の軍隊が南下を始めたらしいな。どう思う?」
「滅びた北部諸国連合の雄、雪原の国の王子、ジョシュア様が連合軍を率いて迎え撃つと聞いています。彼の方ならば、進行を防いでくださるのではないでしょうか」
「え? 嘘。魔王軍と戦うのは王子なのか?」
「そのような噂が流れていることは聞いています」
無表情に告げるレイラの言葉に嘘が含まれているようには思えなかった。
だとすると、本当に南下してくる魔王と戦うのは王子。つまりは俺をこの世界に呼んだ爺さんの息子であり、俺をこの首都マグラゴードまで連れてきてくれた人物であるようだ。
他人が死のうとどうとも思わないが、あのお駄賃までくれた無口だけど人の良い王子がピンチと聞くと、少しだけ心配になる。
「ふーん。そうか。あいつこの国に助けを求めに来たって言ってな。そういえば。それで兵を貸すかわりに矢面に立たされたってところか」
可哀そうに、口の中で呟いてみれば、それまで俺の横にいたアリーシェが首をかしげた。
「ご主人さまは、ジョシュア様をご存じなのですか? そのような口ぶりでしたが」
「ん? ああ。うん。あいつとは短い期間だけど、行動を共にしたことがある。良い奴だったよ」
「そうなんですか」
ぱあっと華がほころぶように、アリーシェは表情を輝かせた。
自分の主が王子と知り合いで嬉しいのだろうか? だとしたら、ただの顔見知りなんて本当のことは言うべきじゃないかもしれない。
「どのような方だったのですか?」
「基本無口、無愛想。背が俺より少し小さいぐらいだが、力は凄まじいものがあった。あいつなら竜と一対一で戦うことになっても、三分あれば竜を開きにできる」
「まあ! やはり噂通りの方なのですね」
「ああ。俺は貴族とか王族とかは基本的に嫌いなんだけどな、珍しくあいつは最後まで好感しかわかなかった。できるなら、また会いたい」
「ご主人さまが男の方をそこまで褒められるなんて、初めて聞きました」
すごくびっくりした表情で、口に手を当てるアリーシェ。
俺はその言葉に内心で首をひねった。そんなに男嫌いってわけじゃないと思うんだが。
「そんなに俺、男嫌ってるか?」
「いえ。というよりも、女性しか話題に出さないかと」
冷静に受け答えするレイラ。その言葉に俺は覚えが多数あった。
確かに、この世界に来てからは女に溺れていたかもしれない。だって、他にすることないんだもんな。
そんなことを考えていたら、家の玄関のベルが鳴った。
レイラが応対へと向かう。聞こえてくる声から、どうやら手紙でも来たらしい。
「何だった?」
「自警団からの手紙です」
「くれ」
手紙を受け取って、文面を眺める。そこにはどうも、先日捕まえた山賊の処置に関してどうするか連絡をお願いしたいということが書かれていた。
というのも、この時代。大きな罪を犯した者は奴隷の身分に落とされる。
山賊などはその最たる例だ。
そして基本的に、奴隷となる山賊達を保有する権利は、最初に彼らを捕らえた者が持つと法によって決まっていた。
これにより多くの腕に覚えのある者達が山賊を捉えて金儲けができるようになり、結果的に賊がいなくなるシステムが構築されているわけだ。
言いかえれば国の防衛能力には限界があるため、冒険者たちに賊の対応を丸投げしているとも言えるが。
「ふーん。総計二十一人か。意外と多かったな。――レイラ。紙と筆記具、あと印」
「準備してあります」
「さすが」
指示する前に準備を終えていたレイラは机の上に、返答を手紙にしたためる用具を置いていた。
俺は羽ペンを手に取って、さらさらと文面を考える。
どうでもいいから適当に換金して、金送ってください。手数料として二割ほどそちらにも寄付します。
そう書こうとした時だった。
ふと思い出す。エイミーとかいう女盗賊はどうなったのだろうか。あの日、ボロ雑巾のようにして捨てた女に、いつもの気紛れで俺は興味がわいた。
自警団からの手紙を読み返せば、山賊団二十一名の中に、エイミーの名前があった。
書こうとしていた文面を、途中で変更する。
「――これ、自警団まで出しておいてくれ」
封をした手紙を、レイラへと俺は預けた。
「わかりました」
レイラはそのまま業者のところへと移動していく。
「アリーシェ。最近思ったんだが、この家は狭いと思わないか?」
「そうですか? 私は普通の家に暮らしたのは、ここが初めてですから、分かりません」
「俺には狭く思えるようになった。金も無駄に貯まっていることだし、もっと大きな屋敷に移ろうか。最低でも、庭付きがいいな」
「え? 引っ越すのですか?」
「ああ。最近はやることがなくてつまらなかったが、そうだ引っ越しというのは楽しいな。レイラが戻ってきたら、三人で新しい家を探しに行こう」
そんなこんな時間は過ぎていくのだった。
そして一か月後。
見事な庭付きの屋敷へと移った俺は、成金人生を堪能していた。
やはり住む場所が変われば気分も良くなる。
気まぐれで屋敷の中に、蔵書が千冊程度の小さな図書室でも作ってやればアリーシェには好評だった。
そしてアリーシェに好評だったために、レイラにも好評だった。
俺は何となくブルジョワになれたような気がして、大いに嬉しかった。根が小物なのだ。
そして引っ越すとなると、これまでのように雑用をやるのがレイラ一人では足りなくなる。
貴族の屋敷ほど大きくはないが、庶民に手が出る屋敷というわけでもない。
だから俺は新しい人員を家に雇い入れた。
というと語弊があるか。
この前拾った奴隷を、新たな雑用係に俺は任命していた。彼女の名前はエイミー。
俺の荷を奪おうとして、逆に前後一晩で散らされてしまった悲劇の山賊頭領である。
「よう、今日も元気に掃除してるか?」
庭の手入れをしているエイミーを見かけたので、俺はその尻をつかみ上げた。
びくんっとエイミーは体を震わせたが、恨めしげな視線を向けるだけで、抗議の言葉は発しない。
既にエイミーは奴隷として心臓に呪いを刻まれている。
これは法を犯して奴隷の身分に落とされた者に共通して取られる処置であり、あるキーワードを口にすることで激痛に苛まれる。
キーワードを知るのは奴隷の主のみ。
逆らいたくとも今のエイミーは俺に逆らうことができないのだった。
「な、何でしょうか。ご主人さま」
「別に何もなかったんだが。そうだな、三分以内に射精させろ。できなかったら罰ゲームだ」
「そんなっ」
鷹のように鋭い瞳に狼狽の色を浮かべて、エイミーはうろたえた。
彼女は既に従順な俺の奴隷である。そもそも呪いが刻まれているし、いや、呪いなど関係ないか。
あの日、鉄格子を引きちぎり、一撃で昏倒させ、夜通しで容赦なく犯し続けた俺に、エイミーは怯えているらしい。
最初会った時のような勝気な言葉はもう聞けない。
代わりにいるのはどこか身を縮めた女が一人だけである。
今も俺の言葉に従って、まだ勃起すらしていないモノを必死になって刺激しようとしていた。
舐める、揉む。玉をほぐす。硬直し始めた咥え、舌で舐め、竿をしゃぶり、口内全体で吸うように愛撫する。
それはここ最近で俺が教えた通りの手順だった。
非常に物覚えの良い奴隷だ。
及第点であったために俺はエイミーの口の中で射精した。もう自分の女に精飲させるのは、俺の日課のようなものだ。
げほげほとむせて涙目になるエイミーの背後に回り、その下腹部に指を伸ばす。
「なにを、ご主人さま……!」
「俺もそうだが、お前も大概変態だな」
下着の上からでも明らかに判別できるほどに、エイミーは濡れていた。
中指を膣の中に忍び込ませれば、するりと簡単に咥えこんでしまう。びくりとエイミーは体を固めた。
それこそ丹念にクンニしたとしてもこうはならないというぐらいに、とろとろと愛液を分泌している。
初体験が悪かったのかもしれないが、エイミーは酷い扱いを受ければ受けるほどに、性的に興奮する被虐体質となってしまっているらしかった。
数週間一緒にいたが、つらい仕打ちを与えるほどに、いつも興奮したように頬を上気させるのだ。
これが変態でなければ、何でもない。
そして、そんな責める言葉にさえもエイミーは反応した。ちゅぷちゅぷと、膣内の粘度が高まっていた。
完璧な奴隷体質である。
彼女は俺につかまって幸せだったのかもしれない。
「ここでいい。地面に両手をついて這え。尻を上げろ」
エイミーは表情だけしか抵抗しない。
言われた通りに素直に尻を出した。獣のように四つん這いになる。
俺は一度、異常なほど濡れた膣内に宣言もせずに強引に挿入した。ずんっ、と数回抽送をしただけなのに、エイミーは背筋をふるふると震わせた。
はあ、ん、と切なげな甘い声を漏らす。
それだけでこの女の本性が分かるというものだった。
「本番。行くぞ」
すでに両手で自分の体を支えられなくなったのか、手は折り曲がり、顔が地面に付きそうになっているエイミー。
その腰骨の上のくびれをがっちりと捕まえて、俺は先ほどエイミーの愛液で湿らせた一物を尻の穴へとあてがった。
ためらうことなく、ずずずっと挿入してしまう。エイミーは雷に打たれたように、背をそり上げた。
やはり尻穴は抵抗がないためにきつい。ド淫乱のエイミーの尻であっても、皮膚と皮膚がこすれて熱さを生んだ。
慣れれば腸液が分泌されて、滑りが良くなるなんて聞いたが、そんな様子はまるでなかった。
指などよりも遙かに大きいモノを突っ込まれているエイミーの負担は相当だろう。
エイミーはもう言葉も出ないのか、挿入するたびにぱくぱくと口を金魚のように開くだけだ。
受け止める側も膣の場合と違って衝撃が大きいのか、抽挿するたびにエイミーの体はゆさゆさと大きく揺れた。
だが、その菊門は俺の侵入を喜ぶかのように、ぎゅうぎゅうと剛直を締め付けていた。
エイミーの下半身が本能で反応していた。
ヴァギナを貫かれた時よりも、格段に反応がいい。エイミーが尻での性交を好んでいるのは、もう隠しようもない事実だった。
「何だ。もうイきそうなのか? 耐えろよ。これは命令だ」
「……あ、ああっ、んむ、……あ……いぎッ」
「ちゃんと答えろよ」
俺は数秒に一回のスローペースでピストン運動を行いながら、背後からエイミーの背中にのしかかった。
牛の乳を揉むように、エイミーの形の良い胸を鷲掴みにする。
そしてエイミーが興奮するように力任せに揉みしだいた。乳首が欝血するほど強く、ごりごりと指でつまむ。
もうこの時点で限界に達したのか、エイミーはまともな受け答えさえすることができなくなっていた。
ゆっさゆっさと嬲るように腰を振るたびに、あ、あ、と焦点の合わない瞳で喘ぎ声を出す。
マラで容赦なく尻穴を採掘し、ずぽずぽとエイミーの直腸を刺激する。
そしてまだ俺が昂揚さえ覚えていない時、乳牛のように乳を搾られながら、エイミーはあっさりと達した。
隠そうとしているようだったが、締まりだけで分かる。
びっくびっくと括約筋が震えて、エイミーは体から力が抜けたように、地面に倒れ込んだ。
犬のように四つん這いだったはずが、顔から崩れ落ちる。
快感を堪能しているのか、半開きの口のまま、エイミーはどこか遠くを見つめていた。
エイミーが膝をついてしまったために、伸しかかっている俺も肛門に挿入したまま地面に膝をつくことになってしまう。
主人の服を汚すとは、レイラ達とは違って、ダメな奴隷だった。
だが、一か月前まではただの処女だったのだ。ここまでこれただけでも、今は納得しておかないといけないのだろう。
俺はあらぬ方角を見やる、エイミーの尻で射精するために抽挿を再開した。
半分失神してしまったような状況であったために、締まりが弱くなってしまっている。だが元々がきつすぎるほどに狭い、むっちりとした肉の詰まった穴だったのだ。
抜くには申し分ない。
ぐにゃりと力を無くした菊門に、俺は剛直を刺し貫かせた。そのまま作業的に射精してしまおうとする。
だが、そこで気づいた。いつの間に復活したのか、力が抜けたはずのエイミーは俺の挿入に反応するように、小さな声を漏らして、あ、んっ、と反応している。
この淫乱は一度イったばかりだというのに、さらに二度目の絶頂を迎えようとしているようだった。
膣口からはぷしゃあっと潮が噴き出ている。
「おい。まだ起きてるなら、早く力入れろ」
俺はエイミーに覆いかぶさった体勢のまま、耳元で命令した。
その声に反応したのか、エイミーの瞳の焦点が合う。しかし声はまだうつろだ。
俺は夢うつつの奴隷の目を覚ましてやるために、胸を鷲掴みにしていた左手をへそからヴァギナへと移して、激しく勃起したクリトリスを刺激してやった。
血液が集中してコリコリと固くなっている陰核をそっとつまみ上げれば、それまで弛緩していた体にわずかながら力が戻った。
「……はぁ、ああっ、……そんな、だめ、っ」
エイミーは下腹部から俺の手をどかそうと、自分の手を重ねてきたが、その力は弱々しい。
普段の状態でなら彼女の方が力があるのに、振りほどかないのだ。指を重ねてくるだけの抵抗は貧弱だった。
それが面白かったので、クリトリスを指先でつまんで弄ぶ。
エイミーは電気仕掛けの人形のように、体をびくんびくんと痙攣するように震わせた。
同時に刺激に反応しているのか、尻の締まりも良くなる。
左手で陰核をつまみ上げるたびに、剛直への刺激が強まって、気持ち良い。
ずずず、ずずずずっとエイミーの腸の粘膜を執拗にえぐる腰にも力が入るというものだった。
力が抜けそうになるエイミーの体に、左手で何度も何度も刺激を与える。
同じ間違いは犯さないように、エイミーが気を失いそうになれば陰核をぎゅっと強くつまみ上げた。
ギンギンに固まっているそれをつまみ上げれば、感じやすいエイミーであっても達することはできない。
エイミーは俺が射精するまで、ずっと絶頂寸前の状態に保たれて、悲鳴を上げた。
「あ、ひっ、ひぃ、……ごめ、ごめんなさい! ひゃ、お、は」
俺は声を聞かずにごりごりと肉杭を荒々しく、菊門の中へと打ち込んでいく。
か細く泣くような声で懇願するエイミーの姿が、下腹部に熱い高ぶりを覚えさせてくれた。
声に反して頬を愉悦に染め、最終的には背中に覆いかぶさった俺を切なげで見てくるエイミーの姿が嗜虐心をくすぐる。
「ご主人、さま! 許し、ひあ、あ、あ、……ひぃ!」
その声に征服感をくすぐられて、俺のモノはさらに大きく怒張した。明らかに血流が増えたのが分かる。
どくっどくっと射精したわけでもないの、血液の脈動が聞こえてくる。
俺はむっちりとした肉のつまったエイミーの尻穴を無心になって掘り続けた。涙目になってこちらを見上げてくるエイミーと肩越しに口づけをする。
胸とクリトリスを断続的に刺激する指に、エイミーの指が絡められた。皮膚に浮かんだ汗が混ざり合う。
どろどろにお互いが溶けていくような感覚。
角度を変えて、スピードを変化させて、エイミーの中身のあらゆる場所を蹂躙するように俺は腰を動かす。
ずちゅずちゅと激しく交尾をしながら、やがて俺は限界を感じた。頭の中が真っ白になってしまうような絶頂。
かろうじて組み敷いたエイミーを先に達させるために最期に一際大きく、菊門に肉棒を打ち込んだ。
ずんっとエイミーの尻と俺の腰の肉がぶつかった後、俺はたまらず射精していた。どびゅるる、びゅくびゅく、とかつてないほど頭が真っ白になって、勝手に精を放ってしまう。
射精することしか考えられなくなる。
気がつけば全身の力を失って、エイミーの背中に倒れ込んでいた。びゅっびゅっとまだエイミーの尻の中で射精は続いている。
一度止まっても、散発的にびくっびくっと剛直が痙攣して、直腸へと射精する。腰が抜けるような感覚に背中が震えた。
精嚢の中に溜まった精子を根こそぎ吐き出してしまうような、濃い射精だった。
「……あ、は……はふぁ」
俺と同時に達したのか、エイミーはまたあらぬ方角を見つめていた。時々、思いだしたように体がぶるると震える。
白目をむく寸前の目や口元からは体液が漏れ出した、あられもない姿だった。まだ意識が戻ってくる様子は見えない。
子種を限界まで注ぎ込んだ菊門から剛直を抜けば、どろりと白濁液が垂れだす。俺の尿道口から漏れている精液がとろりとした液になって、つながっている。
一体どれだけの量を注ぎ込んだのかは、俺にさえも解らなかった。
膣と違って、咥えこんだままの形から、中々元通りにならない肛門は完全に俺によって征服されていた。
その姿が何とも言えない興奮を感じさせて、俺は倒れ込んだエイミーの体を強引に持ち上げて、その口内へと舌を侵入させていった。
もう勃たないとしても、湧き上がる衝動が俺の体を動かしていた。
目の前の女を限界まで屈服させたいと、へその下が命じてくる。
まだ足りないと心臓の鼓動を急かすのだ。俺は少年の頃のようにがっつきながら、エイミーの口内を貪った。
エイミーは、快楽に誘われるままに、俺の舌に半分朦朧とした意識で応じた。
そのまま時は過ぎる。
俺はその日、一日中、意識を取り戻したエイミーが泣いて懇願しようとも、延々とその体から嬌声を上げさせ続けたのだった。
そしてこの日を境に、エイミーは自らの淫乱さを自覚し、これまでの過去を忘れて、俺だけの奴隷として生きることになる。
- 2008/01/17(木) 21:24:38|
- 異世界召喚ハーレム
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